15年前の知識しか持たない愚かな飼い主は、先代ヴィッキーが高齢になり食べ物にうるさくなっても理解しませんでした。以前より、ヴィッキーが流れる水を頻繁に飲む姿を見ていたのにおかしいとは思わず、あれは腎臓に腫瘍ができているせいだったのだと、亡くなって初めて気がついたのです。
『猫は犬のようには水を飲まない。一般的に猫は、高齢になると食べ物のえり好みをしやすい。』
これらは二代目ヴィッキーを迎えるにあたり、再び本を読んでいるときに書いてあったことです。そして、いろいろ読み進めると、ペットフードの驚愕する現実が。
病気になったり、抗生物質が残留しているので人間用には使えない牛や豚、轢死体、安楽死させられた犬や猫がペットフードに使われているらしいのです。ペットフードの表示には、どんな材料が使われているのかを明らかにする必要はなく、AAFCOの基準をクリアーといっても、蛋白質、脂質、ミネラル等の栄養素レベルの基準であれば、どんな材料を使用しているのかは皆目わかりません。
そのようなおいしくないどころか、健康を害するキャットフードを平気で、疑いもせず与えていたことをひどく後悔しています。晩年、病気のせいで、さらに食べられるものが少なくなっていったのではないかと考えると、なぜ、最後の1か月だけでも手作りのおいしい食事を食べさせてあげられなかったのかと心残りでなりません。